Autoshipシステム

Autoship System 使用例

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(1) パース、アニメーションの作成

Autoship上で作成したモデルを使用して、面の色、光の方向を設定した後、レンダリングして、パースを作製したり、アニメーションプログラム(3D Max等)にデータを取込み、アニメーションを作成、プレゼンテーション等に使用することができます。

(2) 現場と設計者及び船主のデジカメを使用したリンク

現場の状況をデジカメにて撮影し、設計部門や船主とのやり取りを効率化します。設計部門では実際にどのように建造されたか、どのような変更が行われたかがリアルタイムに把握できます。写真の場合は、現像の手間、及びフィルムの12枚取り、24枚取り単位になるので、リアルタイム性に欠け、手間がかかってしまいます。

(3) 他のシステムとのデータ互換性

標準データ互換形式であるDXFとIGESを用意していますので、他のシステム、及び他のCADとのデータのやり取りが行えます。

(4) 作業性の効率化

データをデジタル化(CAD化)することで、そのデータの共有及び変更が、より簡単になります。 例えば正面断面を例にすると、Autoship上で船体モデル作成し、原図レベルの精度でフェアリングを行うことで、線図用のステーション断面形状及び現図作業用のフレーム断面形状の出力が可能になります。したがって、その断面形状を基に線図を作成。更にフレーム断面形状そのものが既にデータとしてあるので、オフセットデータを出力し、オフセットをもとに現図をフェアリングしなおす又は現図場に書きなおし、これを基にしてフレーム断面形状を得るということを省略することができます。フレーム断面詳細図は、出力されたフレーム断面形状を元に詳細図として仕上げます。一品展開は、このフレーム断面詳細図を元に一品展開することができます。

(5) SOHOの可能性。外注先とのデータのやり取り

コンピュータ上で作成されたデータは、インターネットを介してやり取りが可能なので、今までのように図面を出力して、宅急便で送る必要が無く、そのままのデータ(CADデータ、ワープロ文書、写真、計算書等)を、インターネットのメールとしてやり取りを行うことで、離れた場所(海外を含む)であってもリアルタイムにデータを共有できます。

(6) 図面のカラー化、立体化及び縮小化

図面をカラー化することにより、より複雑な形状や、いくつも重なって表現される図面が容易に把握・理解可能になります。例えば構造詳細図や配管系統図などはかなり複雑な図面になるが、色別に表現することで、より理解し易い図面が作成できます。また、立体化することで、実際の部材の取合い検証や、構造を容易に把握できます。 手書きだと、文字等の書き込み等の縮小には自ずと限界が生じ、A1及びA0サイズの図面を作成する必要がありますが、図面をCAD化することで、細かな書き込み等もはっきり出力されるため、A2及びA3サイズの図面でも十分実用に耐えることができます。例えば、図面サイズをA3に統一したとすると、通常のコピー機でもコピーすることができます。

(7) AutoCAD上にスキャナーを使用して手書き線図の取りこみ

AutoCADでは、スキャナーからの取り込み図面データ、及び写真等のラスターデータの取込み表示が可能になったため、取り込み図面を重ねて表示させたり、取込んだデータをベクトル変換して、線データに変換・表示することが可能になりました。

(8) 面と面の交差線による3次元曲線の作成。タンクトップ、デッキサイドライン等の作成

手書きによる曲面同士の交差線を求めることは、大変な手間と知識を要するが、Autoshipの機能を使用することで簡単に作成できます。 2つの曲面をそれぞれが交差するように大きめに作成して、2つの面を同時に選択表示させた状態で、交差線作成ボタンをクリックして自動作成できます。

(9) ナックル部から自由曲面部へ移行する面の創成

自由曲面の編集モードにて、ナックル部にさせたい点列をナックル変換すると、ナックル部を含む自由曲面が作成されます。ナックル部の制御点を挟む3つの制御点を直線上に配置することでナックルを消すことが可能です。例えば、前後方向のある制御点列をナックル化し、船体前半部分の制御点のセクション方向の制御点列の配置を、ナックル部の制御点を挟む3つの制御点を直線上に配置することで、後半部分はナックル部になり前半部分は曲面部分となる船型を作成することができます。

(10) 曲げ加工の必要の無いロンジフレームの作成

ロンジフレームと外板との交線であるロンジフレームのベースラインを同一平面上に配置することで、ねじれを含まないロンジフレームを作成できます。このデータを元にフレーム形状をNC切断機等で切断作成することで、曲げ加工の必要の無いロンジフレームを作成できます。アングル材、バルブ材等でロンジフレームを作成する場合は、このデータを元に、1次曲げのみで作成することが可能です。

(11) MS-Excel(表計算プログラム)との連携

オフセットデータをMS-Excel等の表計算プログラムで作成し、そのデータを使用してAutoship上で、自由曲線及び自由曲面を作成することができます。

(12) カントフレーム、ロンジフレーム、及びストリンガー等の形状出力

軸平面であるセクション断面、WL断面、BL断面形状だけでなく、カントフレーム、ロンジフレーム、及びストリンガー等の傾きを持った平面の断面形状や、折れ曲がった平面の断面形状、自由曲面との断面形状が出力できます。

(13) FRP船用 型フレーム形状の作成

船体外形面からのオフセット面を作成することで、FRP船用のオス型やメス型の作成に必要な型フレーム形状を作成できます。 例えば、FRP船の船体形状に対応したメス型モールドを作成する場合、その型フレーム形状は、バテンやベニヤ板の厚さを考慮して15mm〜30mm外側にオフセットされた形状になりますが、船体外形面の傾きが変化する為、そのフレーム断面におけるオフセット量は一定ではありません。そこで、船体外形面からのオフセット面を作成することで、自動的に補正された型フレーム形状を出力することができます。

(14) 漁船バルジ部の作成

漁船のバルジ部分のように、それぞれの面や線が、ある法則に基づいて関係付けられている場合は、そのように船体モデルを作成する必要があります。例えば、チャインラインから1/20勾配の船体側面があり、その船体側面がデッキ面と交差し、バルジ側面は、ガンネルから垂直面となっています。バルジ側面上にデッキ面と交差するデッキサイドラインが存在し、そのデッキサイドラインから150mm下にバルジナックルラインがあり、バルジの底面は、バルジナックルラインから1/2勾配で船体側面に交差します。このような関係にあるそれぞれの線や面を、3面図上で作成するのはかなりの手間を要しますが、Autoshipの交差線の作成機能や、押出し面の作成等の機能を使用して、より簡単に作成することができます。

(15) 漁船ボックスキール部の作成

ボックスキールの作成方法は大きく分けて3種類の方法が考えられます。

  • ボックスキールの上端部、船底面との交線とボックスキールの下部の二つの線が既に定義されている場合、この2つの面に対して面を作成して、ボックスキール側面を作成し、ボックスキール底面を作成する方法。
  • ボックスキールの側面をキール下部の線を元に一定の勾配を持つ面として船底面を突き破るように大きめに作成し、キールの上端部を船底面との交差線として作成し、ボックスキール側面及び船底面を交差線にて切取り作成する方法。
  • その他、自由形状として作成する方法。
アルミ船の場合は、それぞれの面を、平面展開可能な面として作成することで、熱歪み曲げ加工することなく単純ロール曲げ加工のみで建造することできます。

(16) アルミ船展開可能面作成の注意点

平面展開可能な面は、2つの辺により自動的に計算・定義される面です。漁船船型で考えると、それぞれのナックルラインから平面展開可能な面が自動的に計算・定義されます。平面展開可能な面で船型を作成する場合、それぞれの線がねじれの位置の直線の関係にならないように作成できます。ごく狭い範囲で部分的にでも直線が存在するとその部分に作成される平面展開可能な面は3角平面となり、もし、2つの線がお互いに直線部分を有し、ねじれの位置関係になっている場合は、2つの3角平面が作成され、ナックルが生じてしまいます。これは、四角い紙をその対角線で三角形に折った形状で模することができます。

これを避けるために、2つの線がお互いに直線部分を有し、ねじれの位置関係にならないようにそれぞれの線を設計する必要があります。また、自動作成された平面展開可能な面のロール線を表示させ、様々な角度から表示してナックルラインを編集することにより、よりフェアリングされた面を作成する必要があります。Autoshipシステムでは、平面展開可能な面が自動計算される為、設計者は船型としての様々な条件を満たした優れた性能を持ち合わすと同時に、建造が容易で、仕上がりも良好な船型を短時間でまとめ上げることができます。同時に、現図作業の手間も大幅に減り、更に建造工数も少なくてすむ為、短納期と船価のコストダウンが同時に実現できます。

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